ドニャンの理念

《 フォルム 》 への愛

   自然はわたしたちの眼前に、限りなく多様で、驚くほど斬新なフォルム – 形 -を絶えま なく繰り広げます。自然の様々な形は人をつねに魅了してきました。
 人類の歴史を形作ってきた偉大な文明もまた、その後に残された様々な遺跡の形の美しさによってわたしたちを今なお感動させます。古代エジプト文明、アジアやアメリカ大陸のいくつもの文明、フランスの18世紀など、その例は枚挙にいとまがありません、
 ドニャンのバッグ製造の根底にあるのは、新しいフォルム – ボリュームをもった立体的な形 – を生み出すことへの情熱です。                                                                     
   バッグには実用的なフォルム – 軽く、エルゴノミックで、使う目的にちょうど見合った大きさがあり、使い勝手のよいフォルム – が備わらねばなりません。             
 しかし同時に、このフォルムは、オリジナルで、魅力的で、ときには愉快な印象さえ与えなければなりません。毎日の日常生活のなかで、あるいは、人生の特別な出来事を彩るために、持つ人とその周囲に、美しさ、明るさ、エレガンスと魅惑をもたらすことも必要なのです。
 ドニャンのバッグは、女性の夢と願望を受けとめて秘かに燦めくフォルム、魔法の器のようなオブジェです。

パリ - ドニャンを育む土地

Nos valeurs
 パリは何世紀も前から、人々が輝き魅惑することを競い合う都市でした。国王、皇帝、大統領など時の権力者は、最高の技術者と最も才能あるクリエーターをパリに魅きつけつことに心を砕き、クリエーターが生み出す「スタイル」とそうした高度な手工業の技術が融合することで、18世紀の宮廷文化や20世紀のオートクチュールに代表される洗練の粋が誕生しました。
 時代は移りましたが、パリは今もなお、モード分野のクリエーションと職人の技術が錬金術のように作用しあい、斬新な美を生み出す可能性に満ちた街であり、だからこそドニャンは、クリエーションと製造を両輪とするバッグ作りの地としてパリを選びました。
 その努力が認められ、ドニャンは2018年、パリで製造される手工業製品に対するラベル「Made in Paris」においてモード&アクセサリー部門の最高賞を受賞しました。

イノベーションと手工業

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 ドニャンのバッグはすべて、パリ18区のグットドール地区にある工房で製造されています。これはドニャンの理念に基づく選択です。その理念とは、製造にあたるそれぞれの人の技量を組織の最も重要な要素として位置づける「マニュファクチュア」 – 工場制手工業 – の精神を回復したいという強い希望です。
 わたしたちが目指すのは、長い手工業の伝統を通じて継承されてきた価値、過去の歴史が私たちに残してくれた貴重な遺産を、イノベーションがもたらす新しい恩恵と両立させることです。言い換えれば、人が手を使って作業することにより、素材に新しい美を吹き込み、感動、驚き、そして充足感をもたらすバッグを創り出すことです。
 工業化は人類の解放につながった素晴らしいツールですが、それが極限まで推し進められた結果、人間性と豊かさが失われ、画一化と自然破壊がもたらされたことも否定できません。
 ドニャンが情熱を傾けるのは、過去への後戻りではなく、手工業の伝統とイノベーションの交配を通じて、環境との共生回復に貢献し、可能性の領域を押し広げることです。

 こうしたアプローチの一つが、バッグの仕上がりの重さを軽減しつつ、これまで存在しなかったようなフォルムの形成を可能にする「ソフトストラクチャ」の技術で、これによりドニャンは特許を取得しました。ドニャンの工房からまた一つ、新しい時代を見据えたイノベーティブな製品が羽ばたくことになるでしょう。

レースの歴史とドニャン

ドニャンは、1805年にフランスのリヨンでレース製造を始めたドニャン家の流れを汲むブランドです。
 1820年頃にシルクのチュール「イリュジオン」を考案したドニャンは、1860年には「リヨン・レース」という高級レースの製造方法を考案しました。「リヨン・レース」は、ジャカード織りの技術を使ってチュールを機械織りし、その後に手縫いの刺繍でこれを仕上げたもの、つまり、機械化と手工芸を組み合わせた製品だったのです。大柄なモチーフを織り込んだ華やかな「リヨン・レース」は、19世紀後半のフランスの第二帝政期、ヨーロッパ上流階級の婦人が挙って身につけました。
 20世紀に入ると、ドニャンが発明した伸縮性のあるチュールを使ったボディスーツ「スキャンダル」が1930年代に大流行しました。また、1960年代には、ドニャンはポリエステル系合成繊維「テルガル」を素材とした「洗濯機で洗えるレースのテーブルクロス」を考案しています。ドニャンはつねに、レースという洗練を新しい時代の社会や技術と結びつけてきたのです。
 わたしたちドニャンの紋章は、フランスでレース製造が営まれたリヨンとカレーという2つの都市の紋章を組み合わせています。美と洗練のシンボルとしてレースが求められた時代は終わりましたが、現代においては、バッグというアクセサリーが、かつてのレースがそうだったように、人々の心を誘う魔法のオブジェとなりました。

そして、わたしたち...

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   「わたしはパリで生まれ、リヨンで育ちました。家業のレース製造工場で織りあげられるレースを見て育ったわたしは、子どもの頃から、モードとクリエーション、手仕事と工芸技術という双方の世界に強い関心を持っていました。わたしが特に興味をひかれるのはボリューム、つまり立体的なフォームを創り出す作業です。クラッシックな「シック」という概念の定式を使いながら、その定式を覆すことが好きなのです」
                                                                                   リュック・ドニャン(デザイナー)

   「わたしはオリエントとフランスの二つの文化を受け継いでいます。旅の心を愛する祖母に育てられたことで、旅、そして人々との出会いを何よりも愛するようになりました。わたしの内にはフランスの合理的精神とオリエントの文化が共存しており、建築、イメージの構築、歴史、旅を深く愛し、常に新しい地平を求めています」
                                                                                      ラフィク・マイウ(CEO)

Dognin